昭和38年、もっといろんな人に買ってもらいやすいようにとそれまでの樽売りから、小袋販売へ。その後大型スーパーの出現や東京オリンピックもあって市場が広がったと聞いてます。 昭和57年、親父(泰地一郎)が2代目社長に就任。ちょうどその頃はスーパーやコンビニエンスストアへの販売に力を注ぎだした頃です。私が入社したのは、昭和62年。全社へオンラインコンピュータシステムを導入中だったため、ちょうど良かったのだと思います。その後、平成2年、株式会社梅翁園設立。平成15年、社長に就任しました。
■社長職について?
私は本質的には引っ込み思案な性格だったと思うんです。でも、社長をしている以上そういう訳にはいきませんから、最初の頃はかなり努力しましたよ。
■どんな子供だったんですか?
変人でした(笑)いや、本当に。勉強は理数系が得意だったんですね。天体望遠鏡の仕組みを 研究したりしてましたね。小学校の先生にも、「祥夫君は引っ込み思案な性格です」って通信簿に 書かれたりしていましたね。自分では、普通の人間やと思ってたみたいなんですけど。
■その頃、将来、社長になることを意識してましたか?
意識していましたね。子供の頃から、祖父(創業者、秦地成光)と親父(泰地一郎)から、『お前が 頭をとっていかなあかんねぞ。』と言われながら育った。
だから、自然とそういう風に思っていきましたね。
その頃は今と比べると、会社の規模も小さかったし、大変だなーという感覚しかなかったですね。
■経営者としてのご自身を自己評価されるとすると?
経営者向けの適性検査を受けてみたら、『向いてません』て出たよ。
向いていようが、いまいが、経営していかないとしょうがないんですけどね。(笑)
■経営方針はありますか?
新しいものにはどんどんチャレンジしていっていますね。それと「ありがとう」の気持ちは絶対に忘れないようにしています。
梅干を漬ける樽の側面に「ありがとう」と書いています。お客様に対してはもちろんですが、周りで支えてくれている全ての方に感謝の気持ちを持つ事が大事だと思っています。
個人的にはどちらかというと直感で動くタイプですね。まず、直感に従って、だいたいの外枠を決めるんです。後から、必要な中身を詰めていく。そんな感じで、なーんか出来上ってますよ。どうしてるんでしょうね?(自分でも不思議そうに首をかしげてらっしやいました。)
でも、その直感も不安になるときがあります。そんなときは、よく相談しますね。スタッフはもちろんですが、周りの業者の方たちにもどんどん意見を求めています。
最終的な決断は私がしないといけないのですが、周りの意見は非常に参考にしています。
■経営者として大切にしている事は?
社員教育です。(コンサルティング会社に依頼するなど社員教育には手間隙を掛けているご様子)一番大切なものは、人。物を作るのは機械ではなく、人。機械を作るのも、人。だから人が一番大事です。
会社というとこは、いろんな人が集まってくるでしょ。なかなか難しいものです。
まずは、自立性を養ってもらって、そこから、その人が持ってる潜在能力以上のものを発揮してもらえたらええなあと思っています。
会社の基本方針は「安全、安心、心のこもった商品作り」この基本方針を守って、実現していくためにも、社員教育は一番大事ですね!
■会社経営で苦労した事は?
悩みとすれば、原料(梅)が調達できないときですね。梅干はあくまでも農作物ですので、年によって収穫に差が出ます。2003年度などは近年まれな不作だったので、非常に辛かったですね。でも最後には何とかなっていますけど。
■公認会計士の資格をお持ちだとか。
学生時代に、あるきっかけで、公認会計士の資格を取りたいと思ったんですよ。
実はこれには裏話がありまして、当時付き合っていた彼女のお父さん。実は嫁なんですけどね。(笑)お父さんに、公認会計士に合格しないような男に嫁はやれん。といわれていまして。それがきっかけで、猛勉強したんです。何とかラッキーにも合格する事が出来たんですけど、その直後に、祖父に呼び出されましてね。
何かと思ったら、「必ず帰ってきて、梅干屋を継ぐ」と一筆書けと言われたんですよ。「あかん、これは逃げられない。」と思いましたね。4年間ほど会計の仕事をしていましたが、その時点から、帰ってくる事は決断していました。
■仕事を続けてたら?
そうですね。今頃マンハッタンの高いビルのてっぺんで仕事していたかもね。(笑)
■商品について。
主力商品は味梅(かつお梅、はちみつ梅等)です。特に一般マーケットではね。食べ易いんです。
これからは、梅干はもちろんやけど、梅干作りの過程で捨ててたものを有効に利用した商品作りに力を入れていきたいと思っています。捨ててたものに、ものすごーく、いいものが入っているんですよ。もったいないでしょう。梅は本当に捨てるところが無い。種だって活用方法があるんですよ。
私が基本的に考えているのは、「価値のあるものをきちんと提供することができると、必ずその対価がかえってくる。」という事です。自分が相手(お客様)に何ができるかをよーく考えて商品を作っていきたいですね。世の中の人は全て、周りの人にサービスをして、その対価を受け取っていると思うんですね。だから、我々も価値のあるものを作り続けて行きたいと思っております。
■やりたいことは?
もう一回、大学時代の勉強をできたらなーとは思いますね。あの頃は何もわからない状態で勉強していたけど、今なら感じられる部分が変わってくると思うんです。経営者を経験した上で、学べれば得るものがあるんじゃないかと……。
■楽しい事は?
何でも楽しい。仕事はしんどい部分もあるけど、やったことが返ってくると楽しい。
今、ものすごく楽しい!!
数字が好きなので、数字が上がってくると嬉しいし、楽しいですよ。
趣味では、かなりの車好きなんですよ。最近、中古車を一台買ったんですね。予算を決めて、自分が気に入るように、いろんなものを付けて、『よっしゃこれだ!』って。楽しかったー。
あと、『あほかなあ。』と思うくらい、オーディオ機器に凝ってます。
■最後に今後の意気込みをお願いします。
今、45歳。(編集部注※2004年現在)あと15年は頑張らなくちゃいけないなと思っています。
それまでは必死で頑張りたいですね。ドンドン新しいものにチャレンジしていって、もっともっとお客様に喜んでいただきたいと思います。 |